【この翻訳がスゴイ!】少女漫画タイトルの大胆英訳がすごい!! ~漫画で楽しく英語学習~

〇〇で楽しく英語学習

どーも!どもども、トモトモです!!(挨拶)

突然ですがみなさんに質問です。
みなさんが尊敬する人ってどんな人でしょうか。
僕はプロの翻訳家さんや通訳さんを心の底から尊敬しております。(彼らと比べれば僕なんか素人です。マジで)

最近、僕は英訳された日本の漫画を読むことにハマってます。
プロの翻訳家さんたちは本当にすごい。豊富且つ巧みな表現力が勉強になるし、なにより伝わる作品への理解度の深さ。

プロの翻訳は作品の背景・キャラの感情や性格を、とても正確に反映しているんです。
故に好きな作品であるほど「わかってるな~この翻訳した人!!」ってニヤニヤしちゃいます。

というわけでこの「漫画で楽しく英語学習」コーナーでは僕が「この翻訳考えた人、天才かよ!!」って衝撃を受けたものを紹介していきたいと思います。今後も色んな漫画から紹介していく予定です。

では今回は初回ということで僕が仕事を通して感じた「翻訳がどんなものか」ということから始めていきます。

仕事を通して感じた翻訳の難しさ

自己紹介にも書きましたが僕は現在、翻訳業務に従事しています。
それ自体に誇らしさは感じていますが、現実はメール来るたびにGoogle translate使って
ウンウン唸ってます。

特に悩ましい点の一つが「相手が伝えたい意図を汲み取る」こと。

メールが来たらその人の対応履歴を見て、「元の依頼内容はなにか」を確認。
極端な例ですけど「the system」なんて単語が出てきたらそのまんま「システム」って訳さず「なんのシステムを指してるのか」とか調べる必要があります。

ここまでやる理由としては翻訳には必ず見てもらうお客さんがいるからです。
自分が感覚で「なんとなく」理解できた程度じゃダメなんです。だから細かい単語まで吟味して理解度を限りなく100%に近い状態まで引き上げる必要があります。

これは文法力/単語力だけの問題じゃありません。
だってこのブログを読んでいるあなたはきっと日本語ネイティブなわけですが、「日本人相手なら意図を100%汲み取れる」わけではないでしょう。僕なんか日本人から「女心がわかってない」って何回言われたことか……(笑)

母国語のコミュニケーションすら相手の意図を把握することが難しいというのに、ほぼ知らない相手の言葉を第二言語に変換せねばならない。
でも通訳さんはその場で、ほんの数秒としない内に別言語に変換してますよね。

本当にすごい。コミュニケーションに苦手意識がある僕だからこそ羨ましい……
恐らく、プロの翻訳家さんや通訳さんはさぞかし相手の意図を理解することに長けた=女心がわかるモテまくり人生に違いない……(妄想)

直訳と意訳

翻訳には直訳と意訳の二種類があります。

まず直訳。原文の文法構造のまま、原文の語と翻訳先の語を一対一で置き換えてゆくもの。
例えば映画『アラジン』のTrust me!→僕を信じて! なんかまさにダイレクトな翻訳ですね。

続いて意訳。発話者(書き手)の意図、ニュアンスを、文脈や背景を考慮して訳すもの。
要するに発話者の意図が伝わるならば特定の単語を別の単語に置き換えたり、書かれてなかった内容を付け足します。

例を挙げると、「覆水盆に返らず」ということわざがあります。
日本においては、「こぼしてしまった水を全く同じように盆に戻すことはできない=後悔しても仕方がない」という意味です。

これが英語版になるとこちら。
It is no use crying over spilt milk.
直訳すると「こぼれたミルクを嘆いても(泣いても)無意味だ」です。

水じゃなくてミルクなんですね!!
このように、意味は同じでも英語圏では文化的に水よりミルクの方が伝わりやすいからこのようになっていると推測できます。
ちなみに「It is no use crying over spilt milk.」ってタイトルの本が実際に存在するそうです。

Wiseシリーズという児童書のようです。Amazonで売ってます。

そんなわけで意訳は時に大胆な変化を伴います。

天才的翻訳例 『私がモテてどうすんだ』

では、本題にいきます。
今回取り上げる作品はこちら。

私がモテてどうすんだ

この作品の英語版タイトルの訳が素晴らしいんです!!
では、作品の概要に移りたいと思います。さっきも言わせてもらいましたが翻訳に大事なのは背景の把握ですからね(^^)

こちらは2013年~2018年まで講談社で連載されていた少女漫画。
『このマンガがすごい!』2015年版オンナ編の第4位に入賞し、2016年にはアニメ化。
そして2020年には実写映画化まで果たした名作です。
僕がイギリスにいた頃にドはまりしてアニメ一気見しました。OPを今でも口ずさんでます。

この作品の簡単なあらすじはこちら

私は芹沼花依(せりぬま・かえ)。男の子同士が仲よくしているのを見たり妄想するのが大好きないわゆる腐女子♪ ある日、愛するアニメキャラが死んだショックで体重が激減。すると、校内の4人の美男子からデートの誘いを受けちゃった! 私とじゃ萌えないのに!! まさかのモテ期でどうすんだ――!!?

コミックシーモアよりー

はい。というわけでこのタイトルに込められた意味。
「イケメンとイケメンが愛し合ってるところが見たいのに!」ってヒロインの気持ちに反して自分がイケメンたちに求められる存在になってしまったことへの戸惑いですね。

作中でもヒロインの花依ちゃんの男子との親睦を深めることに積極的になれないっていう面がハッキリ描かれてます。イケメンたちとのドタバタ日常がめちゃくちゃ面白いんですよね、はい。

では!お待たせしました。
「私がモテてどうすんだ」を英訳したらどうなるか。

正解がこちら!!

Kiss him not me

直訳:「私じゃなくて彼にキスして!」

いや、超すごい!!
だって、もともとの単語なんか欠片も残ってないのに、ちゃんと作品を象徴したタイトルになってるんです!!

キスしてほしいのは私じゃないの!私は男の子同士がキスしてるところを見る方が幸せなの!!って!
「モテる」どころか「どうすんだ」をWhatとか使うことなく、完璧に物語の主旨を表現してます。

タイトルの翻訳ってプレッシャー半端ないと思うんですよ。

1シーンならともかく、タイトルは初めて手に取った人がこれからずっと漫画=ソレと認識していくものです。主人公の顔を見たとき、作品に出てきた料理と同じものを食べるとき、くすっと笑ったシーンに似たシチュエーションをリアルで見たとき、etc.

僕だったらプレッシャーのあまりGoogle translateでテキト―に訳して逃げます。「しっくりこなかったんやけどGoogle translate先生がこう訳したんや!ワイは悪くない!!」とか言い訳しまくるでしょう。(謎の関西弁) ちなみにGoogle translateで「私がモテてどうすんだ」ってやったら「What’s wrong with me」となりました。話になりませんね(笑)

はい、というわけで以上!
漫画で楽しく英語学習のコーナー
初めて取り上げた漫画は「私がモテてどうすんだ」でした。

留学奮闘記と併せてこちらも定期的に更新していく予定です。
今後とも当ブログを何卒よろしくお願いします!!

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