この間、“Witch Watch”という漫画を読んだ影響でニューホライズンを買いました。
英語の教科書を読むなんて約10年ぶりでしたが、これがすごく面白かった!!
「私は~です」のやりとりから感じたラブコメの波動。
今だからわかる、少ない最低限の表現のみで会話を構成させようという作り手側の努力。
今回は、そんなお話。
ニューホライズンを買ったきっかけ
みなさん、中学・高校でどんな英語の教科書使ってました?
僕のは……なんだったかな?思い出せません(笑)
たしかジローというサッカー部の少年が主人公で、ケビンという友だちがいて、たしか二人ともお姉さんがいて……そうそう、先生もメガネをかけた男性と長髪の女性が出てくるんですよね。
あと、ケビンがホットドッグの食べ過ぎでお腹壊したり、男性の先生は猫が苦手だったり、そうだクラスメイトには中国人の女の子がいてジローと同じサッカー部に所属してたりして。
ここまで覚えてるのに教科書の名前だけ綺麗に思い出せない(笑)
なぜ気になったかというと、僕が読んでいる週刊少年ジャンプで連載中の漫画“Witch Watch”が関わってきます。
Witch Watch、僕は作者の篠原先生が過去に描いていたSket Danceという作品が好きだったこともあり、楽しく読ませていただいております。
件の話は第35話「新しい友達」。主人公の魔女:若月ニコに蓬莱純というキャラクターが相談したいことがあるとのこと。ニコたちは純に衝撃を受けます。純は画風としゃべり方が英語の教科書:ニューホライズン風というトンデモキャラクターだったのです。
僕は「ニューホライズンってなんだ?」って感じでリアクションに遅れたのですが、彼のしゃべり方を聞いて理解しました。
一人称は「私」、二人称が「あなた」、語尾が「です/ます」、セリフに多用される「それ/それら」。
完璧に英語の教科書です。
そして僕は思いました。
今の英語の教科書ってどんなだろう?と。
というわけで購入しました!ニューホライズン!!
ニューホライズンしゅごい。。。 -教科書の進化-
ニューホライズンをパラパラとめくると驚きばかりでした。
まず、小学校の学習という項目から感じるジェネレーションギャップ
(僕は英語を小学校で習ってない世代です)
次に、ずいぶんとキャラクターが美男美女ばかりになった。
すごいよ。Pixivで「ニューホライズン」で検索したらめちゃくちゃイラスト出てきたよ。
(過去にキャラデザ担当や公式HPが声明を出す事態に発展したことがあるそうですが今回は割愛)
なにより驚いたのが、ListeningがCDじゃない!!なんと、QRコード!!!!
QRコード読み取るとページに飛ばされてそこで音声を再生することになるんです。
最近の教科書スゲェ。。。
では、読んでいきます。
以下は主人公:本田海斗がオーストラリアからの留学生:メグに話しかける場面です。
Kaito: Are you from Sydney?
Meg: Yes, I am.
Kaito: So, are you a rugby fan?
Meg: No, I’m not. I’m a cricket fan.
Kaito: Cricket? Do you play it, too?
Meg: No, I don’t, I just watch it.
Kaito: How about soccer? Do you like soccer?
Meg: Yes, I do.
はい。こんな感じです。
まさに初期英語。
会話の流れが「あなたは~~ですか?」「はい/いいえ」のみで構成されています。
クラスメイトの自己紹介というより面接っぽい。どこか味気無さとシュールさを感じる会話です。
同ページの解説を読むと、どうやら狙いはAre you?とDo you?の違いを知ってもらうことのようです。
しかし、僕はこのシュールな会話からラブコメの波動を感じました。
僕が読んだときに脳内再生されたやりとり(妄想)はこんな↓感じです。
題して、
カイト×メグSS ドッキドキ☆自己紹介♡ です。どうぞ。
カイト×メグSS -ドッキドキ☆自己紹介♡-
カイト「 Are you from Sydney? (えっと……きみ、シドニーから来たんだっけ?)」
メグ「 Yes, I am. ええ。そうですけど。」
カイト「(通じた!僕の英語が通じた!!……そうだ!……なにか話題を)」
カイト「 So, are you a rugby fan?(じゃ、じゃあ、ラグビーのファンなんだね?)
メグ:「 No, I’m not. I’m a cricket fan.(いえ。私はクリケットのファンですが)」
カイト「 Cricket? (く、クリケット?)」
カイト「(クリケットってなんだ?栗のお菓子か?……いや、たぶんスポーツ……なのかな?)」
カイト「Do you play it, too?(じゃ、じゃあ君はクリケットで遊ぶの?)」
メグ「 No, I don’t, I just watch it.(ううん。見るだけなの)」
カイト「(あーー!また違ったーーーー!!)」
カイト「(いや、あきらめるな、俺!!)」
カイト「 How about soccer? Do you like soccer?(サッカーは?サッカーは好き??)」
メグ「 Yes, I do.(え、ええ……まあ)」
カイト「(話題が見つかったーーーーー!!!!!やったーーーー!!!!!)」
メグ「……くす」
カイト「え?(笑っ、た……?)」
メグ「私、英語は当たり前のようにしゃべってきたけど」
メグ「(私の国の言葉を、こんなに一生懸命しゃべってくれるの)」
メグ「(ちょっと……嬉しいな)」
…to be continued…
はい、という感じです(どういう感じだ)。
カイト×メグ 解説
カイト×メグ二次創作、読んでいただきありがとうございました(笑)。
え?アレンジしすぎ??二次創作とはそういうものだ!!(強引)
最初読んだとき、自己紹介って表現覚えるより流れにもってくまでの方がハードル高いと思ったのです。だからカイトくんはメグちゃんに話しかけるのに、かなり勇気を振り絞ったのではないかと。なぜ勇気を出したか?きっとカイトくんは、メグちゃんと仲良くなりたいんです。
そして勇気を出した自己紹介。
「ラグビーが好きなんだね?」だなんて相手のことをわかったつもりで質問したら「No」って返されるとこから始まります。これ、すっごく恥ずかしいと思います。
しかもその後、「クリケットのファンなの」「クリケット?」と、知らない単語が出てきます。
カイトくん、「クリケット?」ってなったんなら、「クリケットって何?(What is Cricket?)」と尋ねないと!!御覧の通り、ちょっと見栄を張っていますね。
クリケットってよくわからんけどファンならプレイするに違いないなんて思い込みから”Do you play it too?”なんて聞いちゃうカイト。
これもまずかった。こちらも「No」と返されます。
話題を振ってみたらことごとく「No」と返されるカイト。
めちゃくちゃ焦ってたと思います。中学生の僕だったら反射的に「Sorry」って言って話を打ち切ります。
しかしカイトは諦めない。最後のスポーツの名前を絞り出します。
そうしてサッカーの話題を出したところ、ついにメグと話が合いました。
やったねカイト!!友だちが増えry
メタ的な理由で見栄っ張りにされたカイト
今回、教科書を読んでみて気づいたことがあります。
カイトが「Cricket?」ってクリケットを知らないのに「Do you play it, too?」なんて見栄を張った理由。相手に調子を合わせて、わからないことを聞けないのはある意味リアルですが、ここにはメタ的な理由があると思います。
まず、この時点でニューホライズンを手にした生徒たちは5W1H(What, Who, Where, Which, How)を習う前なんです。すなわち「Do you ~?」「Are you ~?」とかの、YesかNoで答えられる質問文しか載せられなかったからだと推測できます。
次に主語。HeやSheを習ってないから全部「I」と「You」なんですよ。必ず「私は~」「あなたは~」って文で会話させなきゃいけません。そりゃあ、ぎこちないわけです。
つまり、、、
もしカイトが「What is Cricket?」って聞いたらメグは「Yes/No」で答えられません。
そして、「I/You」しか主語にできないから「Cricket is —」という説明ができないんです。
そう考えるとカイトはメタ的な理由で見栄っ張りな性格にされてしまった、と考えるのが真相でしょう。
うーん、英語の教科書にこんなに考察しまくったの初めてだ
僕はなにをしていたんだろう。。。(笑)
思ったより楽しかったです!!またニューホライズンを題材になんか書きたいです!
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